NHKドラマ『団地のふたり』。
「面白くない」「つまらない」って感じた人、けっこういるんじゃないかなと思います。
正直、このドラマって展開がびっくりするくらいゆっくりなんですよね。
小泉今日子さん演じるノエチと、小林聡美さん演じるなっちゃん。
50代の幼なじみ2人が、団地でご飯を食べて、おしゃべりして、ご近所さんから頼みごとをされて…。
ほんとにそれだけの日常が続いていきます。
でも私、一度も退屈だと思わなかったんです。
むしろ洗濯物をたたみながらゆるーく見るのに、ちょうどよかったです。
このドラマを面白いと思うかどうかって、見方とか年代とか、人生経験でけっこう変わる気がします。
あと、見終わってから特に心に残ったのが、ノエチとなっちゃんの友情と、団地の人たちのつながりでした。
というわけで今回は、『団地のふたり』が面白くないと感じる理由と、逆にハマる人との違いを、私の感想もまじえつつ書いてみます。
団地のふたりが面白くない・つまらないと感じる理由は?
面白くないと感じるいちばんの理由は、やっぱりストーリーに大きな山場がないことだと思います。
事件が次々起きるわけでもないし、恋愛で盛り上がるわけでもない。
ノエチとなっちゃんがご飯を食べて、しゃべって、団地の住人と関わって。
そんな毎日が淡々と流れていきます。
ハラハラする展開とか「早く次回が見たい!」みたいなワクワクを求めてる人には、ちょっと物足りないかも。
「で、結局何が面白いの?」
って思っちゃう気持ちも、まあわかります。
ただ、何も起きてないように見えて、実はいろんな問題がちゃんと描かれてるんですよね。
親の老い、仕事の不安、体調の変化、団地の建て替え問題。
50代になった2人には、2人なりの悩みがある。
なのに、このドラマは必要以上に深刻にならない。
自分のことだったら「大変だ!」ってなるようなことでも、2人のやり取りを見てると、なんだかちょっと気持ちが軽くなる。
大変なことでも、ちょっと見方を変えれば、そこまで落ち込まなくてもいいのかも。
そんなふうに思えました。
あと、団地の人間関係も好みが分かれるところ。
網戸を張り替えてほしいとか、家具を運んでほしいとか、何かと頼まれちゃうノエチとなっちゃん。
ご近所にあれこれ口を出されるのが苦手な人は、ちょっと窮屈に感じるかもしれません。
実際、第5話では若い夫婦と年配の住人たちの間で、子供の足音やゴミの出し方をめぐってトラブルも起きてます。
あったかいだけじゃなくて、面倒なところもちゃんと描いてるんですよね。
『団地のふたり』は、ストーリーの展開を楽しむというより、人と人との何げないやり取りを楽しむドラマ。
だから、面白くないって人とハマる人に、はっきり分かれるんだろうなと思います。
団地のふたりにハマる人との違いは?ながら見がちょうどよかった!
私が一度も退屈しなかったのは、このドラマが「ながら見」にぴったりだったからだと思います。
私は洗濯物をたたみながら見てました。
ずっと画面に集中してなくても、ノエチとなっちゃんの会話を聞いてるだけで楽しいんですよ。
たまに画面を見て、クスッと笑ったりして。
このゆるさが、すごく心地よかったんです。
逆に、何もしないでテレビの前に座って、ずーっと画面だけ見てたらどうかな?
たしかに、ちょっと手持ち無沙汰になるかもしれません。
「そろそろ何か起きないかな?」
って思っちゃう人もいそう。
でも私は、その「何も起きない感じ」が好きでした。
特に好きだったのが、ノエチとなっちゃんの食事シーン。
職場からなっちゃんの家に来たノエチに、
「野菜焼き食べる?」
って聞くと、
「食べる!」
って即答。
これ、いいですよねー!
特別な料理でもなんでもなくて、野菜を焼いて、ご飯とお味噌汁を食べるだけ。
なのに、すごく幸せそうに見えるんです。
2人の会話も、いかにもドラマのセリフって感じがしなくて、すごく自然。
「ああ、ほんとに昔からずっと一緒にいる幼なじみなんだなあ」って思えるんですよね。
とはいえ、ながら見できるからって中身が薄いわけじゃないんです。
何げない会話の中に、人生とか人間関係について考えさせられる言葉がポロッと出てきたりします。
だから、ちゃんと集中して見たら、それはそれで違う面白さがあるのかも。
刺激的なドラマももちろん好きだけど、疲れてるときにはこういうドラマも必要だなあと思いました。
団地のふたりは年代によって面白さが違う?
もうひとつ思ったのが、見る人の年代でも面白さが変わるんじゃないかってこと。
20代や30代のころって、仕事や恋愛、これからの人生に大きな変化があったりしますよね。
刺激的なことや新しいことに目が向く時期でもあると思います。
そういうときに、50代の幼なじみが団地でご飯を食べたり、ご近所さんとしゃべったりするドラマを見ても、あんまりピンとこないのかもしれません。
もちろん20代でもこういうドラマが好きな人はいるし、50代なら絶対ハマるってわけでもないですが。
でも、年を重ねると、幸せだと思うことが少しずつ変わってくる気がするんですよね。
若いころは刺激的な毎日に憧れてたのに、今は何も起きない平和な1日がありがたかったり。
特別な場所に出かけなくても、おいしいご飯を食べて、気の合う人とおしゃべりできたらそれで満足だったり。
『団地のふたり』を見てると、そういう暮らしがすごく豊かに見えてくるんです。
ノエチとなっちゃんは50代で、2人とも独身の実家暮らし。
仕事も順調そのものってわけじゃありません。
親も年を取ってくるし、この先の暮らしに不安がないわけでもない。
でもこのドラマ、2人を「人生に失敗した人」みたいには描いてないのがまたいいところ。
結婚してなくても、仕事で大成功してなくても、毎日を楽しく暮らしてる。
人生って、何かを成し遂げることばっかりが大事なわけじゃないんだなって思えてきます。
20代のころに見てたら、私も今とは違う感想だったかも。
でも今は、何も起きない普通の毎日を楽しめることこそ、幸せなのかもしれないって思うんです。
こたつでみかんなんて最高ですよね。
年齢そのものというより、人生の何に価値を感じるかで、このドラマの面白さは変わるんでしょうね。
ノエチとなっちゃんの友情がうらやましい!50代の幼なじみっていいなあ
『団地のふたり』で特にうらやましかったのが、ノエチとなっちゃんの関係です。
50代になっても、こんなに気軽に行き来できる幼なじみがいるなんて!
女同士って、結婚や出産をきっかけに、学生時代の友達と疎遠になっちゃうことってありますよね。
私にも、いつの間にか会わなくなった友達がたくさんいます。
結婚した人もいれば、してない人もいる。
子供がいる人も、いない人もいる。
みんな生活が変わって、昔みたいに気軽に会えなくなっちゃうんですよね。
「元気にしてるかなあ」
って思い出すことはあっても、なかなか連絡するきっかけがなかったり。
学生のころは毎日のように会ってたのに、不思議なものです。
その点、ノエチとなっちゃんは2人とも今は独身。
だからこそ、時間を合わせやすいっていうのもあるのかもしれません。
もちろん2人にも、家族との暮らしや仕事があります。
それでも、お互い夫や子供がいたら、あんなに毎日みたいに一緒にご飯を食べるのは難しいですよね。
しかも、ただ仲がいいだけじゃなくて、お互いのことをよーくわかってる感じがするんです。
特別な話をしなくても一緒にいられる。
気をつかって会話を盛り上げなくてもいい。
そんな関係、なかなかないですよ。
でも、2人だって結婚して子供がいる人をうらやましく思うこともあるのかも。
家庭がある人から見たら、ノエチとなっちゃんの自由な暮らしがうらやましい。
逆に2人から見たら、家族に囲まれて暮らしてる人がうらやましいときもあるかもしれない。
結局、隣の芝生は青いってことなんですかね。
どっちが幸せって話でもないんですよね。
結婚してるかどうか、子供がいるかどうかより、気をつかわずに一緒にいられる人がいること。
それがいちばん大事なのかもしれません。
2人を見てたら、昔の友達は元気にしてるかなあって、ちょっと懐かしくなりました。
それから、この2人を見て思い出したのが、2003年放送のドラマ『すいか』。
『すいか』でも、小泉今日子さんと小林聡美さんが共演してたんですよね。
小林聡美さんが演じてたのは、信用金庫で働く早川基子。
小泉今日子さんは、お金を横領して逃げる同僚の馬場万里子、通称・馬場ちゃんでした。
『すいか』も、日々の暮らしや女性たちの何げない会話が印象に残るドラマでした。
設定は全然違うけど、2人が醸し出す空気感には、どこか通じるものがあるんですよ。
『すいか』が好きだった人には、『団地のふたり』もぜひおすすめしたいです。
団地の近所付き合いも魅力!春菜ちゃん親子を見て感じたこと
ノエチとなっちゃんの友情と同じくらい「いいなあ」と思ったのが、団地の住人たちのつながりです。
今って、昔ほど近所付き合いってないですよね。
もちろん、距離が近すぎるのは面倒なこともあると思います。
でも、ご近所同士は仲が悪いより、いいほうが絶対いい。
それを特に感じたのが、シングルファーザーの賢一さんと、娘の春菜ちゃんの家庭です。
春菜ちゃんはお父さんと2人暮らし。
第6話では、思春期の娘のことで悩んだ賢一さんが、なっちゃんに相談する場面もありました。
こういうとき、近くに気軽に相談できる人がいるのって心強いですよね。
お父さんは子育ての悩みを1人で抱え込まなくて済むし、春菜ちゃんにとっても、お父さん以外に話せる大人がいる。
しかも、年齢も性格もバラバラな、いろんな人たちです。
親子2人の暮らしがダメってことじゃないですけど、
家族以外にも自分のことを知ってくれてる人がいるのって、子供にとってもいいことなんじゃないかな。
家族だけで過ごしてたら出会えない考え方に触れられるし、困ったときに相談できる相手も増えますしね。
で、私が特にいいなと思ったのが、その気軽さ。
わざわざ車でどこかに出かけなくても、ちょっと歩けば顔見知りがいる。
話したくなったら、ふらっと訪ねていける。
何かあったときも、すぐ声をかけられる。
この「歩いて行ける距離に頼れる人がいる」って、すごく大きな魅力だと思うんです。
友達や知り合いがいても、会うたびに予定を合わせたり、車で出かけたりするのって、けっこう大変じゃないですか。
でも団地なら、普段の生活の中で自然に人と関われる。
子供にとっても大人にとっても、こんな環境はうらやましいなあと思いました。
みんなで集まってクリスマスパーティーをするのもいいですよね。
家族だけのクリスマスももちろん素敵だけど、いろんな世代の人とわいわい過ごすのも楽しそう。
それと、団地の住人たちがかなり個性的なのも面白いところ。
特に印象に残ってるのが、由紀さおりさん演じる佐久間のおばちゃんです。
ノエチとなっちゃんが網戸を張り替えてたら、いきなり『千の風になって』を歌い出すんですよ。
なぜ今!?(笑)
しかもけっこう本気。
由紀さおりさんなので、そりゃ歌はうまいんですけど、やってることだけ見たら、かなり自由な近所のおばちゃんです。
周りにどう思われるかより、自分が歌いたいから歌う。
あの自由さ、ちょっとうらやましいんですよね。
周りは迷惑かもしれないけど(笑)。
あと、50代のノエチとなっちゃんが、団地ではまだまだ若手扱いなのも面白い!
網戸の張り替えだの家具運びだの、何かと呼び出される2人。
世間では50代っていうと「もう若くない」って言われがちだけど、この団地ではバリバリの若手なんですよね。
いる場所によって年齢の感じ方まで変わるんだなと思うと、なんだか元気が出てきます。
もちろん、実際にこんな団地に住んだら、面倒なこともあると思いますよ。
頼みごとを断りにくかったり、プライベートなことまで知られすぎちゃったり。
近所付き合いが濃いほど、気をつかうことも増えそうです。
だから、誰にとっても理想の暮らしってわけじゃないです。
それでも、家族じゃないけど、まったくの他人でもない。
困ったときには助け合えて、気軽に話ができる。
そんな人間関係が身近にあるのは、やっぱりいいなあと思いました。
『団地のふたり』は、何も起きないから面白くないって感じる人もいると思います。
でも私は、一度も退屈しませんでした。
洗濯物をたたみながらゆるーく見るのにちょうどよかったし、見てるうちに、人とのつながりについていろいろ考えさせられました。
ノエチとなっちゃんの友情も、団地の近所付き合いも、特別なことじゃないのかもしれません。
でも、そういう関係をずっと続けていくのって、実はけっこう難しいんですよね。
結婚してても、してなくても。
子供がいても、いなくても。
気の合う人とご飯を食べたり、ご近所さんとおしゃべりしたり。
そんな何でもない毎日こそ、実はすごく豊かな時間なのかも。
『団地のふたり』は、何も起きないからつまらないんじゃなくて、何も起きない毎日を楽しめることが幸せなんだって思わせてくれるドラマでした。


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